カナダGP

  • クビサのクラッシュ、見ていて背筋が寒くなった。レース後のマクラーレンの無線*1で骨折という情報を聞いたが、足首の捻挫と脳震盪のみとのこと。もしHANS導入前だったら…と考えるのも恐ろしい。大事をとってアメリカGPはベッテルが出走する可能性が高い。
  • 4度のセーフティカー導入、2台の失格*2と大荒れのレースを制したのはPPスタートのハミルトン。レース展開及び追撃してくるはずのアロンソの度重なるミスと不運という追い風はあったものの、完璧なレースをこなした。ハミルトンにとって初優勝であると同時に、チャンピオンシップの単独リーダーとなりアロンソに8pの差をつけたことの意味は大きい。ちなみにレース前はハミルトンのお父さんのほうがむしろ緊張していたらしい。
  • アロンソはピットがクローズの時に給油したペナルティ*3もあったが、何度もシケインをショートカットするなどらしくないミスが続き精彩を欠いた。これまで同点で並んでいただけでもプレスから様々なプレッシャーを受けていたのに、ハミルトンにリードを許したとなると益々風当たりはきつくなるだろう。2年連続で獲得したタイトルは、明らかにライバルよりも優れたマシンを手にしてのものだった。今年は自分と同じマシンに乗る相手だけに、プレッシャーの大きさは昨年までの比ではないかもしれない。
  • セーフティカーに比較的翻弄されなかったハイドフェルドが2位、ワンストップ作戦でセーフティカーのメリットを最大限に活かしきったブルツが3位だったことも興味深い。
  • 土曜日までマシンを壊しまくっていたコバライネンは自己最高の4位。RSは8位。予選と決勝があまりにかけ離れた結果に終わり、更迭説を吹き飛ばせるだろうか?一方、それぞれのチームメイトであるフィジケラは赤信号無視で失格、トゥルーリはクラッシュしてリタイア。いずれも今年チームを牽引してきたドライバーがミスで自滅*4している。
  • フェラーリもいいところがなかった。特に赤信号無視で自滅したマッサはノーポイントに終わりチャンピオンシップで苦しくなった。ライコネンも5位入賞は果たせたものの、マッサ以上に苦しい。アメリカGPで巻き返せなければフェラーリのタイトル獲得は遠のいてしまう。しかし今年は皆ブリヂストンタイヤを履いていて恩恵を受けることが出来ず、ミシュランユーザーがボイコットするようなこともない。残された手段はマスダンパー問題のようなあらゆる意味での力技のみか。
  • セーフティカーが4度も導入された大荒れのレースだったが、琢磨はセーフティカーが出ている際に2回目のピットストップを自分の判断で行ったらしい。(スーパーアグリなので)当然ながらピットは大慌て。琢磨はソフト側のタイヤノルマをクリアするためピットに入ったのだが、ピットクルーの中には給油もすると勘違いした人が複数いた。そのため10秒近く?ロスし右リアタイヤ付近にいたクルーは地面を叩いて悔しがった。その後再びピットインしてタイヤ交換と給油を行ったため琢磨の順位は落ちた。そこで終わっていればいつものスーパーアグリらしい光景だった。しかしレース終盤、コバライネンと琢磨以外全てのマシンがソフト側のタイヤを履いている状況でスーパーアグリの速さは圧巻だった。琢磨はRSをあっさり抜いて、更に残り3周でアロンソをパスして6位入賞。チームに細かいミスはあったものの、結果的に全てがいい方向に転がった。
  • それに対して全てが悪い方向に転がったのがホンダ。バトンはスタートできず、バリチェロはセーフティカーによって作戦を台無しにされた。ただ、大荒れのレース展開を読んで最後のピットインを速めに行っていたなら、入賞は出来たんじゃないかな、と思う。ホンダに柔軟な戦略を立てられるテクニカルディレクターがいればねえ。結果論だけど。
  • レッドブルに相当ポテンシャルはあるようで、中盤グループではかなりの速さを誇ったウェーバー。でも序盤でのスピンで6番グリッド獲得は水泡に帰した。予選結果を活かせないことにかけては達人の粋に達した感のあるウェーバークルサードは原因不明のリタイア。速さはあるものの信頼性に欠けるってのは昨年までのマクラーレンみたいだ。気がついたらスーパーアグリが隣にいるし。
  • なんかトロ・ロッソスパイカーはウォールにヒットしまくっていた気がする。
  • 長谷川アナは地上波向き*5だと思う。CSと地上波のオン・オフができないみたいなので、出来れば地上波専任になってくれないものだろうか。とりあえずアメリカGPはカナダで地上波実況やってた伊藤アナと交替の方向で>フジテレビ

*1:ドライバーに表彰台で心置きなく喜んでもらおうという配慮だと思われる

*2:こちらは完全にドライバーのボーンヘッド

*3:ロズベルグも同様。2人ともガス欠の恐れがあったため、ペナルティを受けることは承知の上でピットインしたらしい。

*4:トゥルーリに関してはクビサ接触されている影響があるかも

*5:ハイドフェルドをハミルトンと言い間違える程度ならともかく、トーンこそ抑え気味なものの大袈裟なフレーズで盛り上げようといらぬ努力をする、解説者の言ったことに「ああ、そうなんですか」と答える回数が多すぎる、誰が見てもわかりきったことをそのまんま実況、etc...