- ぶっちゃけてしまえば序盤の数周で半分くらい興味が失われたレース。ハミルトンの上手さが堪能できたという点では面白かったが、上手すぎたためレースが動かなくて単調になってしまった観は否めない。マッサは速いラップを刻むのは得意だがレースは下手なんだろうか?そう考えるとオフのテストや予選で好調なのにレースでイマイチなのも納得いくのだが。
- このレースにおけるアロンソの仕事はスタート直後の1コーナーでマッサを交わしたことで終わった。対してチームメイトのハミルトンは、このレースで最も仕事をしたドライバーだった。スタートでライコネンとマッサを交わし、序盤はマッサ、それ以降はライコネンを完璧に封じた。チェッカー後の無線でのやり取りも対照的で、大喜びしてチームのモチベーションを高めるアロンソに対し、「3位、2位ときたら次は勝ちたいよね」とクールなハミルトン。開幕戦を観て総合力ではマクラーレンがややリードしているという印象だったが、予想以上に強いかもしれない。
- マッサにとっての理想的なレースはもちろんポールトゥウィンだったが、スタートでアロンソとハミルトンに交わされたことで満点をとり損ねた。ハミルトンの後ろで我慢しプレッシャーをかけ続けて3位が合格点だったが叶わず、序盤で早々にミスして表彰台を失った。フェラーリの実力からすれば平均点以下のレースをしてしまったマッサ。マッサの心理状態を想像すると、PPスタートなのにマクラーレンの2台に前に行かれ、明らかに自分よりも遅い新人のハミルトンに押さえ込まれてしまった上、後ろからはチームメイトのライコネンが煽ってくる。シーズンオフの前評判ではマッサがチャンピオンを獲るとまで言われていた。幾重ものプレッシャーによって自滅してしまったのかな。
- ライコネンはスタートでハミルトンを前に行かせてしまったものの、終始ハミルトンにプレッシャーをかけ続けて表彰台を獲得した。テストではマッサに水をあけられた感のあったライコネンだがレースではきっちりと結果を出し続けている。アロンソ、ハミルトン、ライコネン、マッサの4人は速さでは遜色ないものの、精神面ではマッサが少し落ちることが露呈してしまった。
- BMWは4位入賞したハイドフェルドとは対照的にクビサが完走した中では最下位。チーム、ドライバー共に2強よりも不安定か。ハイドフェルドは早くも去就が噂されているが、トヨタに行くくらいならBMWのほうが勝てる可能性があると思うけど。BMWがどうしてもベッテルを起用したいというのならともかく、金のために移籍するとヴィルヌーヴの例を出すまでもなくろくなことにならないと思う。
- ルノーの2台がきっちり入賞してきた。昨年のチャンピオンチームとしては物足りないものの、予選の不調とは裏腹にレースは相変わらず上手い。ただ現状ではせいぜいBMWあたりと争うのが精一杯か。川井ちゃんが言っていた“チーム無線でブリアトーレがフィジケラにイタリア語で言ったぞっとする一言”がなんなのか知りたい。最近サードドライバーがニコニコしてるとも言ってたのでなんとなく想像はつくけど。
- 予選よりもレースが上手いという点ではホンダも同様。ただしスーパーアグリよりも上の順位でフィニッシュしワークスとしての意地を見せた、といういささかスケールが小さいものではあるが。2戦続けてポイントを獲ったトヨタの堅調さを見習うべきか。
- そのトヨタもポイントを獲ったトゥルーリと対照的にズルズルと順位を下げていったRS。コメントが載ってないか探してみたら、代わりに“RSが来季以降もトヨタに残留するには契約金減額が必要”*1という記事を見つけた。契約が残っていても平気でドライバーを更迭するチームだけに、RSにとってはこれから夏場まで毎レースが試験のようなものか。
- 予選では対照的だったウィリアムズの2人だが、入賞が期待されたロズベルグはリタイアし後方スタートのブルツは9位フィニッシュと、まるでシーソーのように逆転した結果に終わった。
- スーパーアグリもシーソー現象になるかなと思われたものの、終わってみれば予選順位とほぼ同じ結果に。デビッドソンのオーバーテイクシーンは何度か画面に映っていたので、琢磨より後ろなのは正直意外だった。
- というか2-3位と4-5位争いに意識が奪われそれ以外はあまり注目していなかったという方が正確かも。なのでルノーのダブル入賞もいつの間にかスーパーアグリより前にいたホンダも意外だった。意外じゃなかったのはスパイカーが全滅したことくらい。
- 恒例の“表彰台からのシャンパンボトル落とし”は3人中1人しか成功しなかったものの、落としたボトルは割れてなかった。頑丈なガラスだ（笑）
- 福永アナの実況はそんなに悪くなかった。悪くなかったんだけど、よく勉強してるのはわかるし何かいいコメントしたいのもわかるんだけど、実況に徹したほうがよかったんじゃないかな、という気がした。今後に期待。
