ブラジルGP

  • あの長かった予選を生で観ておきながら、決勝はオンタイムで観ること叶わず。あれを全部観てしまった事による後遺症のせいとも言えるが。
  • スタートでライコネンが順位を上げるもフロントウイングを破損、ピットインしたが、リリース時に先行していたコバライネンがホースを引きずりつつ燃料を撒き散らし、すぐ後ろのライコネンが一瞬炎上するというアクシデント。コバライネンはストップし、ブラウンのクルーによってホースを抜き取られた。メルセデスへの恩義からか、単に邪魔だったからか。
  • トゥルーリスーティル接触アロンソも巻き添えを喰らって3台リタイア、SC導入となった。トゥルーリスーティルに詰め寄って抗議している姿が映された。リプレイを見る限りでは、公衆の面前で罵倒されなければならないほどのことをスーティルがしたようには思えない*1
  • PPスタートのバリチェロは最初のピットインで8番手まで下がり、ウェーバーが楽勝ペース。
  • 国際映像が小林可夢偉とバトンのバトルを捉えた。デビュー戦のルーキーとしては善戦している。ただバトンが無線で「チャーリーに言え」と怒鳴っていた様子からして、ドライバー間の申し合わせ回数以上にラインを変えているようだ。まあ審議にすらならなかったのでルール違反ではないのだろうが、マナー違反だったのかな。ピットアウト後に一貴と接触。一貴は激しくクラッシュした。バトンの件といい、あまりにも後方に注意を払えていないのかもしれない。色々な意味で印象的なパフォーマンスではあった。
  • レース終盤、1ストップかと思われたベッテルが2ストップ、バリチェロはハミルトンにパンクさせられて後退と、バトンの自力を待つまでもなくチャンピオンが確定的となった。キーとなる順位争いが中盤以下だったため、トップのウェーバー、久々2番手のクビサがほとんど画面に映らず。
  • マッサのチェッカーフラッグを受けてウェーバーが優勝。2位クビサ、3位ハミルトン。以下ベッテル、バトン、ライコネンブエミバリチェロまでが入賞。チャンピオン争いをしていた3人が誰一人として表彰台にいない。チャンピオンが確定したバトンが決勝後記者会見に呼ばれることもなく、淡々と終わった印象。
  • チーム発足の経緯などからして、今年ブラウンGPがWタイトルを獲得するなど夢にも思わなかった。大小様々な問題を抱えながらも、シーズンを通して求心力を保ち続けたロス・ブラウンは称賛に値する*2。同時に、圧倒的に速いマシンというものは、何者にも代え難い存在だということを知らしめてくれた。HONDAの予算と技術を惜しみなく注ぎ込み、他チームより1年近く先行して開発したアドバンテージがなくなる来年こそがブラウンの正念場となる。Wディフューザーのような秘策はあるのか注目したい。
  • バトンについては、イギリスGPを境に別人になってしまった*3ことで、偉大なチャンピオンになれるか否かという記事を目にするようになってきた。不調に陥った原因はマシンのパフォーマンス不足もさることながら、単純に速いマシンで優勝することを喜んでいられた序盤と違って、ワールドチャンピオンが現実のものになってきた事による期待とプレッシャーを、母国GPで実感させられたことも影響しているように思う。序盤が圧勝だっただけに、プロ・アマ問わず期待は大きくなるばかりだった*4こともマイナスに作用した。シーズン後半には、明らかにブラウンよりも速いレッドブル、復調してきたマクラーレンという強力なライバルもいた。それらのプレッシャーに打ち勝ったという一事をもって、バトンはチャンピオンに相応しいドライバーだと言えよう。
  • ただ個人的には、2009年シーズンはバトンが初優勝を遂げた2006年ハンガリーGPに似た展開だったように思う。バトンがいい仕事をしたのは確かだが、ライバルが勝手に自滅したおかげで勝ちを拾えたのかなと。

*1:このアクシデントは審議対象となったがお咎めなし、トゥルーリはマーシャルの指示に従わなかったことにより罰金

*2:ニック・フライではこうはいかなかっただろう

*3:単にブラウンのリードがなくなった時期と一致しただけと言えばそれまでかもしれないが

*4:確かF1GPニュースで川井ちゃんは「ハンガリーあたりでチャンピオン決まるんじゃない」と語っていた