レッドクリフ PART2

 先月のリベンジ>何に
 吹き替え版をもう一度観るのが悔しいとか以前に、字幕版以外選択の余地がなかった。上映回数も減っているようだしそろそろ公開終了なのかな。
 曹操のキャラが安定しない。というか、周喩孔明をはじめとした連合軍側の人物を魅力的に描こうとするのに対して、曹操の人物に深みがない。PART1冒頭で出兵に異を唱えた孔融を斬ったのを皮切りに、疫病で死んだ兵を弔いもせずに川へ流して連合軍に疫病を蔓延させる、周喩に騙されて貴重な水軍の将を失う&恥をかかされるきっかけをつくった蒋幹を宴席で毒殺する、といった、味方も引くほどの所業で悪辣さは十二分に伝わった*1。それに比べると、曹操が配下の心を掴んでいるエピソードが「自分だって病弱な息子(曹沖)に会いたいのを我慢しているんだからお前等も頑張れ」という(それもどうなんだろ的な)ものだけ。とことん悪役に仕立てるのであれば息子の件はいらなかったね。*2
 孔明の矢10万本騙し取り、周喩蔡瑁・張允謀殺、尚香の敵軍配置全部書き写しといった壮大な活躍と比較して、小喬は敵の進軍を遅らせるために曹操にお茶を飲ませるという随分微笑ましいというか何というかスケールダウンした活躍をした。しかしその行為こそが最大の敗因として曹操配下(テロップが出なかったので誰だかわからない)の怒りをかって命を狙われることになるのだが。
 孫権軍と曹操軍の砦攻防は「ハンバーガヒル」っぽかった。最後に尚香と叔材の件をもってきたことと併せて考えるに、ジョン・ウー三国志ものの名を借りた戦争映画を撮りたかったのかな?そう考えると、尚香と叔材の件も重要な意味合いを持つ。
 最大の謎(笑)であった、中村獅童がなぜ甘興なのかも判明。甘寧だったら赤壁では殺せないよねえ。
 エンドロールで許ちょ(ネに者)や顧雍の名前があったことに驚く。そりゃ正史に載ってる人物だからいるだろうけど、劇中で全くその存在を感じられなかったので。前述した甘興や、尚香の友達である孫叔材、あとは疫病に倒れたところを曹操に見舞ってもらい元気づけられた武将?(名前忘れた)といった架空の人物の方が余程目立っている。

*1:ついでに言えば出兵を決意した一因が小喬を手に入れるため、ってのもPART1であったか

*2:これを言い出すと全・後編合わせて削れる部分が大量にあり(多分)2時間半で収まってしまうんだけど