ドイツGP

  • トップ快走中にエンジンが壊れたライコネンマクラーレンの速さは全チーム随一だと思うが、信頼性の面でなんら進歩していない。モントーヤは予選でスピンしたことについて、「ポールを狙えたから2番手になることは考えなかった、後悔していない」云々といった言い訳をしていたが、最後尾スタートでなければおそらく勝てていたレース。記者会見で後悔しても遅いね。
  • ライバルが消えて楽勝したアロンソルノーは速さと信頼性のバランスが取れており、アロンソも若いくせに既にプロストやMSの如く老獪な走りをしている。昨年後半のような内紛が起きる可能性もなく、死角が見当たらない。フィジケラはスタート直後琢磨に追突されダメージを負いながらも4位と見事な走り。これでブリアトーレとの不仲説も少しは収まるだろうか。
  • 最近ニック・フライのやたらと楽観的なコメント*1ばかりが目立っていたBARだが、それをある程度証明できた。ただし、あくまでフェラーリを基準に考えた場合の話で、マクラーレンルノーと勝負できるレベルではない。ライコネンのトラブル、モントーヤの予選でのミス、フィジケラのアクシデントがなければバトンは表彰台に上がれたかどうか…琢磨はスタート直後の混乱にはまって大きく順位を落としてしまった。今年は本当にツキがない。とはいえ未だにポイントを獲得していないドライバーは琢磨とド新人のドーンボスだけであり、バトンの去就次第では来期のシートが確保できるかどうか心配になってくる。
  • 母国で表彰台に届かなかったばかりか終盤バトン、フィジケラオーバーテイクされてしまう屈辱を受けたMS。頼みの綱のブリヂストンはグリップがなくなり、オーバーテイクの瞬間は映さないという地元テレビ局の微妙な援護があったのみ…バリチェロはスタート直後トゥルーリに押し出されヴィルヌーヴにヒットし、その後は低迷したまま。ここ数年にわたる実績もあって、両ドライバーをはじめフェラーリ関係者はこれまであからさまにブリヂストンを批判することはなかったが、ドイツGPでのパフォーマンス不足はタイヤのせいと口を揃えている。そろそろ我慢の限界か。
  • スタート直後の混乱に巻き込まれ、青旗無視のペナルティを喰らい、挙句リタイアとなったついてないトゥルーリトゥルーリに勝ててご満悦のラルフ。好対照なトヨタの二人。コンストラクターズ4位につけているものの尻すぼみなトヨタ。勢いではBARに負けている。
  • クルサードがポイントを獲ったもののすぐ後ろにBARが迫ってきているレッドブル。まあ、むしろここまでの健闘を称えるべきか。クリエンは9位と見せ場はなかったものの、入賞している面子からすれば充分か。早く来期のシートを確定させたいところだろう。
  • 後ろからのスタートなのに大きく順位を上げて8位入賞してご機嫌のマッサ。スタート直後にバリチェロ、そのすぐ後ドーンボス、そしてレース中盤にモンテイロとぶつけられまくったヴィルヌーヴバリチェロについては仕方なしと理解を示したものの、ドーンボスモンテイロの行動は余程腹に据えかねたのか酷評*2していた。そして、それだけぶつけられたのにマシンが無事だったことに何よりも驚いてたらしい。
  • ツキもなければ速さも信頼性もないウィリアムズ。バトン移籍問題もあってハイドフェルドは心ここにあらず、不貞腐れたウェーバーはGPDAの会合で存在感を発揮するのみ、とドライバーのやる気もないような。
  • 堅実な走りをみせたアルバースヴィルヌーヴ接触したドーンボスミナルディの二人も好対照な結果。アルバースは益々評価が上がっただろう。ドーンボスは急遽レギュラーシートを得て初戦だったので今後数戦でどう変化できるかに注目。
  • デビューからの連続完走記録を12に伸ばしたモンテイロ。決勝当日が誕生日だったらしい。でもまあわざわざ当たりに行ったようにしかみえなかったヴィルヌーヴとの接触はいただけない。カーティケヤンは珍しくモンテイロに勝ったものの、「青旗無視のペナルティは納得いかない」と語ったり終盤スピンしたりと相変わらず変な意味で面白い。最初で最後のインド人ドライバーかもしれないのでシーズン終了まで生暖かく見守っていくとしよう。

*1:フェラーリより速いと浮かれたりBARは今期優勝できると言ったり…

*2:ドーンボス:まるでフォーミュラフォードのようだ、モンテイロ:全然僕を見ていなかった