ハンガリーGP

 実にハンガリーGPらしい結果。オープニングラップの上位8台からリタイアしたトゥルーリライコネンが抜け、ピッツォニアフィジケラが入賞圏内に加わった。スタートとピット作戦がすべてだったレース。

1 1 ミハエル・シューマッハ フェラーリ B 1:35'26"131 192.798 Km/h
2 2 バリチェロ フェラーリ B + 0'04"696 192.640 Km/h
3 8 アロンソ ルノー M + 0'44"599 191.308 Km/h
4 3 モントーヤ ウィリアムズ・BMW M + 1'02"613 190.713 Km/h
5 9 バトン BAR・ホンダ M + 1'07"439 190.554 Km/h
6 10 佐藤琢磨 BAR・ホンダ M 1 lap  
7 4 ピッツォニア ウィリアムズ・BMW M 1 lap  
8 11 フィジケラ ザウバーペトロナス B 1 lap  
9 5 クルサード マクラーレンメルセデス M 1 lap  
10 14 ウェバー ジャガー M 1 lap  
11 17 パニス トヨタ M 1 lap  
12 18 ハイドフェルド ジョーダン・フォード B 2 lap  
13 15 クリエン ジャガー M 2 lap  
14 20 ブルーニ ミナルディコスワース B 4 lap  
15 21 バウムガルトナー ミナルディコスワース B 5 lap  
16 19 パンターノ ジョーダン・フォード B 22 lap  
17 7 トゥルーリ ルノー M 29 lap  
18 16 ゾンタ トヨタ M 39 lap  
19 12 マッサ ザウバーペトロナス B 49 lap  
20 6 ライコネン マクラーレンメルセデス M 57 lap

 ルノーが好スタート。横からみたスタート映像ではスタート後のスピードの伸びが他車とはぜんぜん違っていた。もし3列目ではなく2列目スタートだったら、フェラーリを抜けたかもしれない。琢磨は押さえようとコース真ん中に車を振ったが、アロンソはインにいき琢磨をあっさり交わし、バリチェロに並びかかる勢い。トゥルーリアロンソとは逆にアウトから一気に前に出る。
 スタート直後の順位は MS(予1)、バリチェロ(予2)、アロンソ(予5)、JPM(予7)、バトン(予4)、トゥルーリ(予9)ライコネン(予10)、琢磨(予3)と、レコードライン側の奇数グリッドを活かした人と活かせなかった人の明暗がくっきり分かれた。バトンが5番手に踏みとどまり、ライコネンにも抜かれたとあっては琢磨のスタートは失敗だったといわざるをえない。1コーナーでアロンソをブロックしようとしてラインを外したら埃を拾ってしまい勢いを失ったとのこと。レースでは速かっただけにもったいない。
 あまりに強すぎたためあまり映らなかったフェラーリの2台。それでもコンストラクターズタイトル獲得&ドライバーズタイトルがMS、バリチェロのいずれかに確定した。MS個人もシーズン12勝、7連勝といった記録を達成。まだまだ更新しそう。
 アロンソが結果を出してルノー向きのレースだと改めて証明されたが、トゥルーリはツキがない。こういったトラブルも多いのに、フランスGPみたいな大ポカをやらかしてそのイメージが強くなってしまう・・・
 変なノーズをやめたウィリアムズだが劇的な変化はなく手堅い走りに終始。スタートはともかくレースではピッツォニアがいい走りをしていた。
 ダブル入賞を果たしたもののスタートでルノーに完全に出し抜かれたBAR。グリッドで多少前につけていてもスタートを改善しなければどうしようもない。ドライバーは速さはともかく安定さではやはりバトンが上か。来期もバトンもしくは同レベルのドライバーを準備しなければ厳しい。バトン問題は法廷問題に発展しそうなためシーズン終了までに結論はでないかもしれない。
 ライコネンのマシントラブルは「またか」というほかない。クルサードもいいところがなく、マクラーレンの見せ場は金曜フリー走行しかなかった模様。
 相変わらずフィジケラはいい仕事をした。「速い車に乗れば誰だって優勝できる」という人もいるが、あまり速くない車に乗って結果を出すドライバーこそが速い車に乗る権利を得られるのがF1。競馬でいえば「いい馬に乗せてもらっているから武豊は勝てる」のではなく「いい馬に乗せてもらえる腕前が武豊にはある」といったところか。