五輪柔道、日本メダルラッシュ

 男子66キロ級の内柴選手が金、女子52キロ級の横沢選手が銀。前日の二人と比べあまり注目度は高くなかったがすばらしい結果を出した。内柴選手の優勝の瞬間だけかろうじて観ることができた。あの決め技は何になるのだろう?
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生まれ変わり頂点へ=減量苦克服、家族支えに−内柴選手〔五輪・柔道〕
 【アテネ15日時事】壮絶な減量から解き放たれた柔道66キロ級の内柴正人選手(26)が15日、五輪で頂点まで駆け上がった。王者になると「妻のご飯が食べたい」と笑顔で話した。昨春は体重オーバーで失格し、畳にすら立てない屈辱を味わったが、階級を上げて生まれ変わった。どん底からはい上がった男は、五輪の舞台で躍動した。
 かつては60キロ級にこだわり続けていた。「世界王者の野村忠宏選手に勝って、自分が世界最強になる」。アテネ五輪の出場権は野村選手と争うつもりだった。
 体脂肪率5.7%の体。試合のたびに10キロ前後の減量が必要で、ふらふらになって戦っていた。しかし、昨年4月の全日本柔道選抜では減量に失敗し、よもやの失格。道場に行くのも嫌になり一時は引退も考えたが、妻あかりさん(24)がやさしく励ました。
 「期待を裏切った自分をこんなに応援してくれる人がいる。自分の力を信じられるぐらい練習したい」。階級を66キロ級に上げた。減量の苦しみから解放され、体の切れが増した。スタミナも切れなくなった。「やっと柔道ができる」。自信を取り戻した。
 6月25日、長男、輝(ひかる)ちゃんが誕生した。写真をアテネに持参した。「柔道で家族を支える。奥さんや支えてくれた人に恩返しをしたかった」
 畳に上がれる幸せをかみしめた五輪。決勝戦。相手選手がよく見えた。集中していた。スロバキア人選手の背中を畳にたたきつけた。「周りの人に恩返しができた」。観客席に向かって両手のこぶしを握り締め、何度もジャンプ。柔道家として最高の幸せもつかんだ。メダル授与式。表彰台の真ん中に上ると、深々とおじぎをし、体を後ろに向け観客席の応援団にも頭を下げた。君が代の演奏が終わると、周囲の人々に感謝の気持ちを示すように、また頭を下げた。(了)[ 8月16日 1時0分 更新 ]

 やはり同じ階級のつわものに勝って代表になりたいものなのか。100キロ超級の鈴木選手もそうだが、一流選手ならではのプライドがあるようだ。