イメージのいい首相

 小泉首相が「アメリカによるイラク統治は限界にきている」といった趣旨の発言をしたのだとか。
 先ごろ行われたブッシュ・ブレア会談で、イラク統治を国連主導に切り替える、といった合意がなされる前なら格好よかったけれども。

 この方は年金問題においても突如「年金一元化」「議員年金は廃止したほうがいい」というようなことをマスコミ向けに発言した。発言は波紋を呼び、インパクトは大きかった。しかしながら、今通そうとしている法案は年金一元化には程遠い内容であるし、議員年金の廃止については法案を作成するでもなく言いっ放しの状態。そして、あんまり物事を深く考えない(であろう)有権者の記憶に残るのは、首相がいいことを言ったというイメージ。実に選挙向けの首相だ。

 今度の参院選では、選挙権を持っている人はよく考えて投票する必要がある。なにせ、与党に投票してもしなくても、無関心なので投票そのものをしなくても、与党が勝つと政府の決定は国民の支持が得られていることにされてしまうのだから。そうなってしまってからニュースやワイドショーを見て毒づいても意味がない。