ハミルトン失格

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ハミルトンにオーストラリアGP失格の裁定、トゥルーリは3位に復帰
2009年04月02日

 オーストラリアGPにおけるセーフティカー出動時の追い抜きに関し、ヤルノ・トゥルーリルイス・ハミルトンが再度召喚され、審問が行われた結果、トゥルーリは当初科せられたペナルティが撤回されて3位に復帰、ハミルトンは失格という決定が下された。

 当初、トゥルーリは、セーフティカー出動時に自発的にハミルトンを抜いたとして、25秒のタイム加算のペナルティを科され、3位から12位に降格されていた。しかし後に、トヨタマクラーレンの無線記録が検証され、これにより、ハミルトンとマクラーレンが当初スチュワードに対して行った証言が正しいものでないことが明らかになったようだ。

 autosport.comは、今回の再審問の結果、スチュワードが以下のような声明を発表したと伝えている。
「スチュワードは、2009年オーストラリアF1GPより提出された新たな証拠を検討した結果、カーナンバー1のルイス・ハミルトンと競技者ボーダフォンマクラーレンメルセデスは、2009年3月29日日曜のヒアリングにおいてスチュワードを故意に欺く証拠を提出することにより、本件の処理において不利益を生じる行動を取り、これが国際スポーツ法典第151cに違反すると考える」
「国際スポーツ法典第158条において、カーナンバー1のルイス・ハミルトンと競技者ボーダフォンマクラーレンメルセデスは、2009年オーストラリアGPの決勝結果から除外される。これに従って結果は修正される」

 さらに、スチュワードは、トゥルーリのペナルティを撤回、彼はオーストラリアGPの3位を取り戻した。

 オーストラリアGPの2度目のセーフティカー出動時、トゥルーリは最後からふたつ目のコーナーでスライドしたためハミルトンが前に出て、その後ふたりは順位を入れ替えた。これに関し、マクラーレンは、トゥルーリが自発的にハミルトンを抜いたと主張した。
 しかしハミルトンは、レース直後には、チームの指示に従って、トゥルーリを前に出すためにスローダウンしたと語っている。
「セーフティカー走行時、僕はトゥルーリの後ろを走っていた」と彼はスピードTVに対してこうコメントしている。
「もちろん、セーフティカーが出ているときは、オーバーテイクはしてはならない。でも彼は最後からふたつ目のコーナーでコースオフした。ワイドになってコース外にはみ出したんだ。彼のタイヤは冷えていたんだろうね。それで、僕は彼を抜かざるをえなかった。できる限りスピードを落としたよ。彼をもう一度前に出すように言われたんだ。それがレギュレーションなのかどうかよく分からないけど、もしそれがなければ僕は3位になっていたはずなのに」

 トゥルーリは、ハミルトンが極端にペースを落としていたため、トラブルに見舞われているのかと思ったと語っている。
「レース終盤にセーフティカーが出動した時、ルイス・ハミルトンが僕をパスした。でもすぐに彼は突然スピードを落とし、コース脇に寄ったんだ」とトゥルーリ
「彼はトラブルを抱えているんだと思った。それで彼を抜いて前に出た。他にどうしようもなかったんだ」
 ペナルティが決定した後、トゥルーリはマレーシアのニュー・ストレート・タイムズに対しこう発言している。
FIAのこの決定は間違っている。ハミルトンのコメントを含め、僕が彼を抜いたのではないという証拠を僕らは持っている。彼が僕を前に出したんだ」

 プレス向けコメントとスチュワードへの証言が違っていたと。行為そのものよりも虚偽の証言をしたことが問題視されたようだ。
 トヨタが控訴を断念したにもかかわらずこんな裁定が下されたということは、ハミルトンとマクラーレンが悪質だと判断されたわけで。