合併問題あれこれ

 それにしても、プロ野球の経営者たちは「赤字だ」とか「やっていけない」といっている割に、実際に買収しようという企業が出てきたら売ろうとしない。数字に表れる以外のメリットがある(もしくは自分達にとって都合のいい数字ばかり公表している)からだろう。 本当に経営上の問題だけならば、「合併すれば30億の赤字が半分になる」よりも「赤字事業を売却する」を選択するのがどう考えても当たり前。
 そもそも球団側は「数年で手放すような企業が参入するのは困る」とのことだが、彼らの主張(球界で年間150億の赤字)が事実なら、現参加企業のほうが数年で手を引いてしまいそうな状況だと思うのは私だけだろうか?明朗会計には程遠い・・・

 「プロ野球は10球団、将来的には8球団が望ましい」という数字的根拠もあやしい。現経営者たちは、現在のプロ野球界全体の収益を8で割れば1.5倍の収入になるじゃないか、というような皮算用をしたのだろうか?
 その計算が成り立つには、たとえば

今まで近鉄を応援してくれていたファン全員が、球団消滅を機に他球団のファンになる

 という前提条件が必要だ。「近鉄がなくなったから野球ファンをやめる」といった人がでれば市場規模が縮小するだけで先行きは暗い。

 ただ、選手会側にもそれ相応の覚悟が必要だろう。このままの球団数を維持したいのであればJリーグ並の改革が必要になるだろうし、現在の待遇を望むのなら球団側の意向をある程度受け入れなければならない。形からプロ野球に追いつこうと背伸び(1993年から年俸が一桁上がった選手がいっぱいいた。収益の見通しもないのに・・・)して数年で破綻したJリーグは身の丈にあった運営をすることで立ち直った。それをプロ野球でやるとなると、平均的な選手の年俸が1000万、スター選手で1億からせいぜい2億どまり、年俸が半減以下になることを覚悟しなければならない。
 みていると、どうも合併当該球団の選手、その他のパリーグの選手とセリーグの選手とでは微妙な温度差があるような気もする。「野球少年の夢のため」に12球団を維持したいとのことだが、高額年俸ってのも夢のためのものらしいからなあ・・・