アメリカGPの疑問 解決したものとしないもの

id:tyosakaさんの御指摘(http://d.hatena.ne.jp/tyosaka/20040621)により川井ちゃんのレース後コメントを昨日聞いてみたのだが、概ね

  1. 1度目のスタート時、MSはフライングしていたようにみえた
  2. 2度目のセーフティカー導入時、MSがピットに入ったのにピットインしていないBARの2台よりも前に出られたのはバリチェロがブロックしたから。チームオーダーなのかバリチェロの判断なのかで問題になる

というようなことを言っていた。
 1についてはF1Aからのコメントもリリースされたようだが、イマイチすっきりしない。まあ1999年マレーシアGPの例を出すまでもなく、フェラーリというチームがグレーゾーンに属する問題に関わった場合、限りなく黒に近い白という裁定が下されることはしばしばあるのでこのままお咎めなしということになるのだろう。
 2については、レースが終了して1日以上経過していたのにドライバー、チーム関係者、プレスのいずれからも川井ちゃんのような指摘がなかった。2002年オーストリアGP以降少しでもチームオーダーっぽいことをやらかしたら非難囂々のフェラーリ。全くバッシングされていないところをみると、多分川井ちゃんの思い過ごしなんだろうな、と結論づけていた。
 今日になってアメリカGP後の記者会見全文を読んでみて、あのときの状況となぜ川井ちゃんがチームオーダーだと勘違いしたかがわかったような気がする。
http://sports.yahoo.co.jp/f1/headlines/fliv/20040623/spo/10583800_fliv_00000000.html

ルーベンス・バリチェロ:その後、セーフティカーが入って、そうしたらチームが「入って来い、入って来い」って言うから、スピードを落として入ったんだ。ミハエルがちょうどピットを離れたところだったから、上手くいってあまりタイムをロスしなかった。もちろんピットストップはストップだし、ポジションを落とした。だからその時点でレースには負けてしまった。

佐藤琢磨:でもラルフは長いこと座っていたので、とてもとても心配でした。新しいレギュレーションでは、セーフティカーの後ろでプッシュできないんです。だからチームは無線で燃料をセーブして、スピードを落とすように言ってきました。ホームストレートに戻ってきた時は、破片がものすごくあって、それを避けて走らなければなりませんでした。ラルフはコースの真ん中にいましたし、それで止まらなければならないほどでした。だからミハエルがトップで戻ってしまいました。

Q:あのタイミングでピットストップしたのは大切でしたか?
シューマッハ:大切だったよ。ただ1コーナーでクルマがスピンしたって最終コーナーにいる時に聞いたから、最初はセーフティカーが入った理由が分からなかった。何が起きたのかを知ることは、大切だったよ。たぶんアクシデントのところを通過するよりは、ピットストップでピットを通った方が速かったんじゃないかな。琢磨がさっき言ったとおりだよ、ラルフの事故でほとんど止まらなければならなかったってね。

整理すると

    1. ラルフの事故のことは全チームが知っており、フェラーリはピットイン、BARはそのまま走ることを選んだ
    2. BARはラルフの事故によりコースコンディションが劣悪だということまでは把握していなかった(フェラーリは微妙)
    3. バリチェロはMSがピットインしたので自分はそのまま走り続けると思っていたが、入って来いといわれたため急に減速した
    4. バリチェロのスピードダウンさえなければBARが先行できたくらいの僅差だったため、今までのフェラーリの所業から川井ちゃんはチームオーダーだと考えた

 こんな感じではないだろうか。レース終了直後で情報が錯綜していれば尚更だろう。