アメリカGP

1 1 ミハエル・シューマッハ フェラーリ B 1h40'29"914 182.699 Km/h
2 2 バリチェロ フェラーリ B + 0'02"950 182.609 Km/h
3 10 佐藤琢磨 BAR・ホンダ M + 0'22"036 182.033 Km/h
4 7 トゥルーリ ルノー M + 0'34"544 181.658 Km/h
5 17 パニス トヨタ M + 0'37"534 181.569 Km/h
6 6 ライコネン マクラーレンメルセデス M 1 lap  
7 5 クルサード マクラーレンメルセデス M 1 lap  
8 21 バウムガルトナー ミナルディコスワース B 3 lap  
9 11 フィジケラ ザウバーペトロナス B 8 lap  
10 14 ウェバー ジャガーコスワース M 13 lap  
11 3 モントーヤ ウィリアムズ・BMW M 16 lap  
12 18 ハイドフェルド ジョーダン・フォード B 30 lap  
13 9 バトン BAR・ホンダ M 47 lap  
14 16 ダ・マッタ トヨタ M 56 lap  
15 4 ラルフ・シューマッハ ウィリアムズ・BMW M 64 lap  
16 8 アロンソ ルノー M 65 lap  
17 15 クリエン ジャガーコスワース M 73 lap  
18 12 マッサ ザウバーペトロナス B 73 lap  
19 19 パンターノ ジョーダン・フォード B 73 lap  
20 20 ブルーニ ミナルディコスワース B 73 lap  

 波乱の前兆はフォーメーションラップ直前から。JPMのマシンにトラブルが発生したのか、急いでピットへかけ戻っていく姿が映された。フォーメーションラップが終わるまでにTカーに乗り込み、どうにかピットスタートすることができたモントーヤ。数年前ならたまに見られたなんでもないシーンだったのだが・・・
 今回はなんといって3番グリッドからの琢磨のスタートが見ものだった。どうやら注目していたのはドライバー達も同じだったようで、スタート直後から2番手スタートのMSが琢磨のマシンへ幅寄せした。4番手で真後ろにいるバトンはまったくノーマークで完全に琢磨を抑えにいった動き。MSにこうまでさせたドライバーはあまりおらず、かつてのJPMと同じくらいの待遇。やはり琢磨が恐れられているということか(いろんな意味で)結局フロントローの2台を崩すことはできなかったBAR。
 という上位3台のせめぎ合いはあったものの、抜群のスタートをみせたのはアロンソだった。途中5番手のJPMがいなかったとはいえ、1コーナーでアウトから琢磨を交わし3番手に浮上。さてどうなることやらと思う間もなく1コーナーでクリエンダ・マッタに追突、それにマッサ、パンターノ、ブルーニが巻き込まれてセーフティカーが導入された。ダ・マッタはピットに入り修復するもその後リタイアする。
 インディではおなじみのローリングスタートで再開され、MSが抜群のスタート(というかコントロールラインを通過する前にバリチェロを交わしたように見えた)を決めトップに立った。アロンソが1コーナーでタイヤがバーストしてクラッシュ。その数分後RSが大クラッシュ、2度目のセーフティカーが導入された。RSは意識はあるようだったか自分でコックピットから出ることができない様子で、救急スタッフも救出にかなり手間取っていた。というかクラッシュしてからスタッフがずいぶんと長い間ラルフを放置していたようにも見えた。
 この間にピットインした車は多く、フェラーリの2台などは同時に入ってしまいバリチェロは2番手から6番手くらいまで順位を下げた。それはいいのだが、ピットに入ったMSがピットに入っていない琢磨やバトン、JPMの前に戻れたことを片山右京さんは不思議がっていた。有り得るとしたら、セーフティカーがフェラーリとBARの間に入ってしまい、前を押さえられている間にまんまとミハエルだけピットアウトしたといった感じなのだろうか?
 ラルフが搬出されて再スタート。そこからの琢磨の追い上げは凄まじいの一言に尽きた。BARの2台はセーフティカー中にピットに入らなかったため順位を落としたが、そのたびに琢磨は前を行くマシンをパスし続けた。今期初めてミスもトラブルもない会心のアタックで予選並みのラップを刻む。バトンは慎重なのかと思ったらトラブルが出ていたようで、今季初のリタイア。琢磨が良かったら今度はバトン。作戦の拙さ、ピットワークと共にBARの今後の課題だろう。
 琢磨の速さとは対照的にMSが遅い。前戦同様バリチェロに煽られまくっている姿が映し出される。バリチェロもフラストレーションがたまっているのか、際どいシーンが何度かあった。でも3番手以降と差が開いているため、結局バリチェロが仕掛けなければMSは安泰。レースも終盤に差し掛かったころJPMに黒旗、失格となる。スタート前の乗換えが原因らしい。彼にとっての凱旋レースだっただけにさぞかしブーイングが起きたことだろう。
 こうなってくると琢磨の表彰台を阻むものはいつの間にやらトゥルーリだけになっていた。ハイドフェルドがリタイアするシーンが映っていても実況アナは一言も触れず琢磨の応援ばかりしていた(笑)フィジケラの左リアタイヤがバーストしたり、コーナーで何かのパーツが飛び散ったりするなど、その時点の路面状況はかなり悪かったので何も踏まないように祈りながら観ていたら、琢磨、トゥルーリ共にどうやらウェーバーが撒き散らしたオイルを踏んでしまったらしい。一緒にコースアウトした際に琢磨が前に出て3番手浮上、そのままチェッカーを受け日本人として鈴木亜久里以来14年ぶりの3位表彰台を獲得。
 連戦なのでトラブルが解消できているか正直不安だったが杞憂に終わった。マシン、ドライバー共にこの調子を維持できれば更に上を目指せるかもしれない。最近の日記で散々否定的なことを書いてしまって、ホンダごめんよ。

 しかし完走9台とは・・・去年のブラジルGPを思い出してしまった。
 パニスはこれが150戦目だったらしい。メモリアルレースをポイントで飾った。マクラーレンは信頼性は高くなってきたようだ。だが速さの面ではまだまだ課題がありそう。地上波ではラルフのクラッシュのときに間違えられたバウムガルトナーが嬉しい初ポイント。そのチームのボスである陽気なおじさんは「ミナルディは誰にとっても、2番目に好きなチームなんだ。僕たちがポイントを獲得しても、誰も悲しむ人はいないしね」とコメントしたらしい。

http://formula1.g.hatena.ne.jp/skoba/20040621