カナダGP

1 1 ミハエル・シューマッハ フェラーリ B 1h28'24"803 207.165 Km/h
2 4 ラルフ・シューマッハ ウィリアムズ・BMW M + 0'01"062 207.124 Km/h
3 2 バリチェロ フェラーリ B + 0'05"108 206.966 Km/h
4 9 バトン BAR・ホンダ M + 0'20"409 206.372 Km/h
5 3 モントーヤ ウィリアムズ・BMW M + 0'21"200 206.341 Km/h
6 11 フィジケラ ザウバーペトロナス B 1 lap  
7 6 ライコネン マクラーレンメルセデス M 1 lap  
8 16 ダ・マッタ トヨタ M 1 lap  
9 5 クルサード マクラーレンメルセデス M 1 lap  
10 17 パニス トヨタ M 1 lap  
11 39 グロック ジョーダン・フォード B 2 lap  
12 18 ハイドフェルド ジョーダン・フォード B 2 lap  
13 15 クリエン ジャガーコスワース M 3 lap  
14 21 バウムガルトナー ミナルディコスワース B 4 lap  
15 12 マッサ ザウバーペトロナス B 8 lap  
16 10 佐藤琢磨 BAR・ホンダ M 22 lap  
17 8 アロンソ ルノー M 26 lap  
18 20 ブルーニ ミナルディコスワース B 40 lap  
19 14 ウェバー ジャガーコスワース M 64 lap  
20 7 トゥルーリ ルノー M 70 lap  

 琢磨はスペアカーに乗り換えピットスタートを選択。予選の映像を観たら、スピン時に何かパーツが飛んでいた。予選後にBARテクニカルディレクターのジェフリー・ウィリスも言っていたが、マシンのダメージと17番手スタートというポジション、カナダGPの1コーナーの混乱などを考慮しての戦略らしい。
 スタートは相変わらずルノーの2台がいいな、と思ったのも束の間トゥルーリダッシュがつかず、ピットレーンに逃げてリタイア第1号となる。更に混乱は続きクルサードジャガーの2台とバウムガルトナーを巻き込んでピットレーン出口でスピン、そこに琢磨が突っ込む。急ブレーキをかけてかろうじて難を避けたが、なんとも波乱を予兆させる始まりとなった(琢磨にとって)
 レース中盤まで果敢に攻めた琢磨は10番手くらいまでポジションを上げる。3ストップ作戦の車が前にいることを考えると、2ストップ作戦を選択した琢磨は十分にポイントを狙える位置だ。そして琢磨は更に前を目指し、ヘアピンでパニスを抜きにかかる。まるで前走ヨーロッパGPの再現のように。しかしマシンを完全にコントロールしていた前走とは異なり4輪をロックさせて完全にコントロールを失いスピン。幸いパニスにはダメージがなかった(ように見えた)が琢磨は予定よりも少し早めのピットイン。そしてしばらく走った後エンジンから白煙・・・
 これで3戦連続琢磨のエンジンが壊れた。レース開始早々壊れたモナコはさておき、ヨーロッパGPとカナダGPは状況が酷似している。ホンダが嫌がらせで琢磨に悪いエンジンをあてがっていることはないだろうから、やはりエンジンの使い方ということか。解説の脇坂さんが「バトンは淡々と自分の仕事をこなしている印象を受ける。琢磨はレースをしなければならない状況が多く、それが結果的にエンジンに負担をかけることになっているのでは」といった趣旨の発言をしていた。BARホンダとしては琢磨の乗り方を改めさせるか、琢磨が扱っても壊れないようなエンジンを開発するかのいずれかを選択しなければならないかも。
 予選は低迷したフェラーリだが、他チームが3ストップを選択したのに対し2ストップ作戦を選択、これが見事にはまり1-2体制を築く。MSのタイムが上がらないときにバリチェロを前に行かせなかったこと、終盤バリチェロがミスしてコースオフしたことなどから結局1-3フィニッシュとなる。ポールのラルフは作戦負けといった感じか。しかし3ストップ作戦にしては軽い前半あまりマージンを稼げなかったので仕方ないかも。フロントロースタートのバトンはフェラーリ2台のポジションアップの煽りをうけた格好であまり見せ場のない4位。モントーヤも同様に見せ場なく5位。
 フィジケラは6位入賞。見事作戦勝ちといったところだが、中堅チームが他のチームとは違う作戦をとった場合ぜんぜんテレビに映らないというある意味致命的な欠陥がある。スポンサー的にはこれはよかったのだろうか?といらんことを考えてみる。ライコネンはドライブスルーとステアリング交換もあり計5回ピットに入りながらも7位。マクラーレンの調子が上向いてきたと考えるべきだろうか?ダ・マッタがあまり言うこともない8位。昨年鈴鹿の琢磨以上の慌しさで出走が決まったグロックは11位完走。たとえレース中1度も名前を呼ばれることがなく画面にもほとんど映っておらずなんら見せ場をつくることもなかったが、ジョーダンのチーム力を考えるとこの結果は立派。

 パルクフェルメに車を停めたあと、ミシュランのスタッフと入念に話をするRS。ポディウムでもMSはRSと話す様子はなく(少なくともテレビ上では。「おめでとう」くらいは言ったのかもしれないが)バリチェロとばかりしゃべっていた。そして申し訳程度にシャンパンを撒き、シャンパンのビンをスタッフのところに落として早々と姿を消してしまった。表彰台での最後の決めポーズはMS、バリチェロ、MSの担当エンジニアの3人だけだった。
F1Racing.jp 2004では

「僕らがフェラーリをたたくことができないため、すべてのチームがうんざりし始めている。今まで、何年間も挑戦してきたけど、フェラーリはいまだにどのチームも成し得れないことをしているね。」
「僕の目標はあきらかにもっと大きいものであった。それについては疑いようもないよ。」
「これまで良い時間を過ごしてきた。もし、僕がまたあのときに決断を迫られたなら、僕はウィリアムズを選んだだろう。でも、僕はまだあきらめているわけじゃないよ。僕がワールドチャンピオンになりたいのは事実だ。僕がF1にとどまるか否かは短期間のうちに決まることではないよ。少なくともぼくはF1選手権のために1、2年間は全力を尽くすつもりだ。」
「現時点で、僕はウィリアムズがどのぐらいのパフォーマンスを出せるのかがよく分からないんだ。僕らに必要なのは待つことだよ。」

 といった発言をRSがしたと書いている。常に偉大な兄と比較され続け、チームメイトには煽られ、大概のドライバーと仲が悪く、「常にクラッシュの中心にいる」とまで非難され、昨年2位のチームは低迷中。そんな相当フラストレーションのたまる状況の中、今季最大にして唯一かもしれないチャンスを逃したのだから落胆も大きかったのだろう。

 決勝前の特番はどんな感じになるのか?と少し心配していたが、思ったほど変な演出もなくこれまでの琢磨のダイジェストや各ドライバーの琢磨評、レース前のパレードの様子などを映していた。本編のの地上波放送も比較的よかったと思う。ただ、相変わらず永井君が妙なタイミングでよくわからんことを言った。最後のピットストップ前にMSとRSの現在のタイム差とピットインのタイミング、給油にかかる時間の因果関係を片山右京氏が詳しく解説していた1,2分後に「現在のMSとRSのタイム差っていうのはどういった状況にあるんですか?」と片山氏に質問した永井君。こいつは人の話を何も聞いてねえな・・・

日記を書き終えたあとにとんでもない知らせが。

http://www.crash.ne.jp/f1/2004_news/06/f1_2004_0614b.html
6月14日(月)

カナダGPのリザルトが一転!
イリアムズ、トヨタに失格裁定

 カナダGPのレース終了後、ウイリアムズとトヨタのマシンにフロントブレーキのエアダクト寸法違反が発覚。2位フィニッシュのラルフ・シューマッハーをはじめ4人のドライバーが失格となった。

 このスチュワードの裁定により2位ラルフ、5位ファン−パブロ・モントーヤ、8位クリスチアーノ・ダマッタ、10位オリビエ・パニスを失格としカナダGPのリザルトから除外。最終リザルトでは11位でゴールしたティモ・グロックと12位のニック・ハイドフェルドのジョーダンの2台が繰り上がり、それぞれ7、8位で入賞を果たした。グロックにとっては初レースで初ポイントを獲得する結果となった。

F1カナダ・グランプリ 決勝正式結果
Pos. No. Driver Car Laps Grid Tire
1 1 ミハエル・シューマッハフェラーリ 70 6 BS
2 2 ルーベンス・バリチェロ フェラーリ 70 7 BS
3 9 ジェンソン・バトン BARホンダ 70 2 MI
4 11 ジャンカルロ・フィジケラ ザウバーペトロナス 69 11 BS
5 6 キミ・ライコネン マクラーレンメルセデス 69 8 MI
6 5 デイビッド・クルサード マクラーレンメルセデス 69 9 MI
7 19 ティモ・グロック ジョーダン・フォード 68 16 BS
8 18 ニック・ハイドフェルド ジョーダン・フォード 68 15 BS
9 15 クリスチャン・クリエン ジャガーコスワース 67 10 MI
10 21 ゾイト・バウムガルトナー ミナルディコスワース 66 18 BS
12 フェリペ・マッサ ザウバーペトロナス 62 20 BS
10 佐藤琢磨 BARホンダ 48 17 MI
8 フェルナンド・アロンソ ルノー 44 5 MI
20 ジャンマリア・ブルーニ ミナルディコスワース 30 19 BS
14 マーク・ウエーバー ジャガーコスワース 6 14 MI
7 ヤルノ・トゥルーリ ルノー 0 3 MI
失格 4 ラルフ・シューマッハー ウイリアムズ・BMW 70 1 MI
失格 3 ファン−パブロ・モントーヤイリアムズ・BMW 70 4 MI
失格 16 クリスチアーノ・ダ・マッタ トヨタ 69 12 MI
失格 17 オリビエ・パニス トヨタ 69 13 MI

 初出走のグロックとエディ・ジョーダンは棚ボタに大喜び。こんなシーン昨年のブラジルGPでもみたような気がする。