勝率9割

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勝率9割、荒木弾 今季1号
プロ通算10号 負けたの1回だけ
 意外な男のバットが火を吹いた。荒木雅博内野手(26)。今季1号ソロを放ち、2点目をたたき出した。プロ7年目で、これが通算10本目の本塁打。結果的に広島の執拗(しつよう)な追い上げをクビ差退ける一発に。3試合ぶりの勝利に大きく貢献した。

 「打った瞬間にいったと思った。逆らわずに打つことができた。通算10本目? 確か、それぐらいでしたね」

 一発とは縁がない荒木だが、手応え十分だった。5回2死、カウント1−0から、力投の高橋が投じた内角速球を振り抜いた打球は、左翼席へ一直線。雲が上がった広島の夜空を切り裂いた。

 心掛けているのは素直さ。

 「アウトコースは右に、インコースは左に。ランナーもいなかったし、状況に応じたバッティングを心掛けています」

 普段のスマートさとは相反する力強さを見せたが、荒木本人は自然体そのものだ。

 広島市民球場は、2001年9月20日に菊地原から満塁弾を放った験のいい場所でもある。「このまま勢いに乗っていきたいね」と、さわやかな笑顔。

 打率こそ2割5分3厘と低迷しているが、決して調子が悪いわけではない。27日現在、通算1394打席。荒木のバットからホームランが出る確率は1394分の10という計算に。実に1%を切る低確率で飛び出すウルトラ弾。次に放たれるときはいつか。きっと、その時もチームを救うはずだ。 (中谷秀樹)

 どうせならもっと確率の高いジンクスが欲しい・・・