2003年10月4日(土) 10時10分 中日監督に落合氏、球団候補一本化(日刊スポーツ)

 中日は難航していた来季の新監督候補として、OBで3度の3冠王に輝いた落合博満氏(49=野球評論家)に一本化する方針を固めた。3日、名古屋市内の中日新聞本社で白井文吾オーナー(75=中日新聞社会長)と西川順之助球団社長(70)が会談を行い、複数の候補者の中から落合氏一本化の方針を確認したものとみられる。本社サイドは「改革」のテーマに見合う人材を要望しており、その筆頭候補が落合氏だった。近く、交渉に乗り出す。中日側は難航するケースも想定しており、今後の行方が注目される。
 停滞していた中日の監督人事が大きく動き出した。白井オーナーと西川社長のトップ会談は約1時間。西川社長が持ち上がった球団案をたたき台に、すり合わせ作業を行う中で、浮上したのが落合氏だった。会談後、白井オーナーは「何も言えない」と内容について明かさなかったが、関係者の話を総合すると落合氏一本化の方向性が確認されたもようだ。OBで元監督の高木守道氏(62)を中心にした球団案に対し、本社サイドは「改革」のテーマに見合うインパクトの強い人材を要望。その筆頭候補が落合氏だった。
 山田監督を9月9日に電撃解任。その理由としてオーナーが発した「チームの抜本的な改革が必要」という言葉がキーワードだった。当初、球団内にはOBで元監督の高木氏を推す声が強く、既定路線を進むものと見られていた。しかし、本社サイドから再考指令が出され、改めて候補者調査を開始。長期に渡った末、西川社長は3つのプランを示した。だが「ちっとも驚かないものだったね」とこの日、白井オーナーが明かしたように、本社サイドにとって「改革」のテーマを担うには物足りないものだった。
 落合氏は現役時代、3度の3冠王に輝くなど、圧倒的な技術を持つ一方で「オレ流」と呼ばれたように強烈な個性の持ち主。独自の野球理論、プロ意識は一貫しており、妥協を許さない。本格的な指導者経験こそないが、ロッテから移籍した中日、巨人では計3回セ・リーグ制覇に貢献。巨人では94年に日本一に輝くなど経験は豊富。01、02年には、横浜のキャンプで臨時打撃コーチを務め、若手に4時間に及ぶ指導を行うなど、その徹底した理論と指導法は高く評価されている。評論家として訪れた各キャンプ地で、指導を請われることも多い。
 中日側は改革に本気に乗り出すには、落合氏のような強烈な個性が必要と判断したようだ。西川社長は候補者一本化について「ノーコメント」としたが、新監督像について「チーム内に厳しさを持ちながら、まとめていける人。必ずしも(監督)経験者にとらわれないということは前から言っている」と話した。
 今後、落合氏への要請を行うため、条件等を調整。最終確認した上で近く、本格交渉に乗り出すことになる。本社サイドは落合氏との交渉に臨んだ場合、難航するケースも想定しているが、「オレ流監督」が誕生すれば、球界に強烈なインパクトを与えることになりそうだ。

 実現すればいくつものメリットがあるだろう。高木さんでは中日ファン以外にアピールできる点が少ないが、落合さんなら何よりもインパクトがある。人気回復という課題も解決できるかも(あくまでいい成績を残せたら、の話だけれど)