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ヤクルトが古田の意思を尊重…“無期限現役”容認

ヤクルトは次期監督の最有力候補である古田敦也捕手(38)に対し、『無期限現役』を容認する方針であることが22日、分かった。今オフの契約更改では、現役続行を主張する本人の意思を尊重し、コーチ・監督就任の要請など無理強いせず、特別功労金も用意。次代を担う指令塔の指揮官就任への決断を、長い目をもって見守る。〔写真:古田クン、好きなだけ現役で−。球団フロントは西武・伊東の二の舞は繰り返さない〕


 チームの世代交代による若返りと強化を掲げるヤクルト。多菊球団社長が力強く明言した。

 「ウチはもめることはない。古田本人の意思をしっかりと尊重するつもりだからね」

 球団では最大の目玉として『古田政権』の早期樹立を模索しているが、古田は現役続行を希望。そこで本人が「もうできない」と決断する瞬間まで就任要請など無理強いしない方針を固めた。

 球団は今月12日、来季の契約に関して古田と非公式に会談。その席上で2年契約と兼任コーチ案を提示したが、古田は「来年も現役一本でやりたい」と固辞。多菊社長は「まだ現役で大丈夫というから、ウチとしては、その意思を尊重する」と了承した。

 今オフの契約更改では古田と来季以降の現役選手としての契約問題を話し合うが、球団では今季で5年契約を満了した古田の功績をたたえるため特別功労金を用意。さらには「本人が『現役をやめます』といわない限り、引退しろというつもりはない。後輩捕手を育てるために出場を控えろともいわない。現役選手としての意思を尊重する」(球団幹部)。本人が引退を決意する瞬間まで、勧告も監督就任も無理強いせず、『無期限現役』を認める構えだ。

 今回の方針は、他球団の苦い前例を踏まえてのものだ。平成13年、西武が捕手の伊東に監督就任を要請。その際、伊東は現役続行の希望を譲らず、約1カ月間の話し合いの末、兼任総合コーチに落ち着いた。さらに今年9月19日、再び球団から勧告を受けた伊東は涙ながらに引退表明したが、「現役にこだわりがあるのに、無理やり辞めさせた感じがある」と、チームの内外に疑問の声があがっている。

 「古田には体の強さがあるし、守備でも打撃でもコツを持っている。急にガタッとくることはないはず」と球団幹部。同じ轍(てつ)は踏まない。最大限の誠意をもって、古田の決断を待ち続ける。(山田 利智)

 でも結局「早くやめてくれ」ってのが本音なんだろうなあ・・・