ハンガリーGPはオーバーテイクの少ない最近のF1においても、特にコース上で順位の入れ替わることが少ないレースだ。GP主催者はバーニー・エクレストンのご機嫌とりを欠かさない(何と今年は銅像まで建てた)らしいが、来年消えるであろうGPの有力候補となっている。
 なぜオーバーテイクが少ないかというと、レコードラインを外れるととても滑りやすくまともに走行できないから。スタートグリッドの奇数グリッドはレコードラインだが偶数グリッドはライン外だった。
 よって1,3,5,7番手スタートのアロンソウェーバーバリチェロライコネンが先行。偶数グリッドではトゥルーリがいいスタートを見せ、ウィリアムズの2台は遅れる。その後バリチェロシケインをショートカットしてウェーバーを追い抜いてしまったためウェーバーを前に行かせるが、ライコネントゥルーリにまでどさくさに紛れ前に出られてしまう。バリチェロはその後左リアタイヤが吹き飛んでコーナーを曲がらず直進してマシンが大破。幸い怪我はなかった。
 その後淡々とレースが進行。ウェーバーのマシンを除くフォードエンジンが次々と壊れたのが印象的。昨年の日本GPでのホンダエンジンをちょっと思い出した。
 そしてMSに青旗が振られ、アロンソによって周回遅れにされる。一体いつ以来の屈辱だろうか?

 結局アロンソが圧勝、史上最年少優勝と共にスペイン人初優勝、ルノー20年ぶり(エンジンとしては6年ぶり)と記録ずくめ。2位ライコネン、3位モントーヤと今世紀になってデビューしたドライバーが表彰台を独占した。ドライバーズランキングではMS、JPM、ライコネンが2ポイント以内、そしてコンストラクターズではウィリアムズがフェラーリを逆転した。

 ハンガリーGPのポイントは
1.予選順位(特にTOP8の奇数グリッド)
2.ウェーバーが終始上位グループ近くを走行

 この2点に尽きると思う。そしてやはりオーバーテイクが出来ないサーキット。今年のF1は選手権としては面白くなってきたけど、面白さの大半は新予選導入とアクシデントだったりする。レースとしての醍醐味は少ない。ハンガリーGPは特にそうだ。来年から開催されない(予定)のもある意味仕方ないのかもしれない。
 歴史あるGPが中止されるのは少し寂しいものがあるけど、今後開催される中国、トルコ、バーレーンといった国々のサーキットがインディアナポリス並になることを期待したいものだ。


 ところで、アロンソの最年少優勝記録は変わらないが、それまでの最年少優勝者には諸説あるようだ。

 「ブルース・マクラーレンが記録した22歳104日を44年振りに破る22歳と26日」(http://sports.yahoo.co.jp/f1/headlines/ism/20030825/spo/00131200_ism_00000104.html

 「22歳26日での勝利は、F1シリーズに組み込まれていた52年のインディ500を制したT・ラットマンを54日抜くF1史上最年少記録。」(http://f1express.cnc.ne.jp/

 まあアロンソの優勝によってややこしくなくなったのはいいことかも。