報道ステーションに違和感

 横浜の石井(元中日)の特集をしていた。
 番組中、古館、栗山の二人が「石井さん」と言い続けたのが気になった。彼らが日頃から現役のプロ野球選手を「さん」付けで呼んでいるのなら別に構わないが、そんなことはないだろう。
 特集そのものについては、生まれながらに難聴というハンデを抱えながらもプロ野球の投手となり、遂には横浜のストッパーを任されるまでになった、という石井の野球人生にはドラマ性もあるし、プロ野球の試合がなく空いた時間を埋めるコーナーとしてそう悪い選択ではない。
 特集の内容としては、障害がありながらも石井本人は気にせず周囲もそれを意識せず接することで成功した、という風な感じにまとめられていた。それはいいのだが、古館、栗山両名は終始「石井さん」と言い続けた。(インタビューなどで対面しているときを除いて)現役の選手に対して苗字のあとに「選手」や「投手」をつけて呼ぶことはあっても「さん」付けすることは通常ないだろう。あるとすればプロ野球OBに対してくらいだ。この二人の意思なのか番組の構成なのか知らないが、番組そのものが石井を障害者として扱っていた。悪意がないにしても、報道番組としての見識に欠けている。
 石井を語る上で難聴が外せない要素であることはわかる。今日のこの特集を見て初めて石井を知った人もいるだろう。その点は評価できるだけに、石井をプロ野球選手として扱って欲しかった。