プロ野球の人事

黒岩代表は、「昨年の上原、井川の騒動を見て、ああいう形は避けたいという気持ちが、松坂にあると思う」とみる。

 その交渉役の黒岩代表は、松坂にとって恩人。00年オフ、松坂が免停中に運転し、駐車違反まで犯した際、黒岩代表(当時は広報課長)が身代わり出頭。これがバレて黒岩代表が解任された“借り”がある。

 普段から親密な関係で、この日も「『松坂君』『代表』と呼び合ってのオフィシャルな話はわずかな時間だった。あとは雑談として、『ダイスケ』『アキラさん』と呼び合って話をした」(黒岩代表)とか。

 カルガリー五輪スピードスケート銅メダリストでもある黒岩代表は、「個人的には、僕もかつて世界を目指した人間として共感できる。だから、正直つらい。球団代表としては、もっとビジネスライクに線引きできないといけないんでしょうけど…」と自嘲(じちよう)的に話すが、親身に相談に乗ってくれるからこそ、松坂が代理人を立てたり、ケンカ腰になってまで強行できない面もあるだろう。

 黒岩代表も楽天の広橋コーチ同様*1に、能力プラス主力選手をつなぎとめる役割を背負っている、というわけか。

*1:岩隈の奥さんが広橋コーチの娘さん