今日の北國新聞一面

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2004年8月28日更新

よみがえる中国歴代王朝展が開幕 厳選100件を展示 県立美術館
 「よみがえる中国歴代王朝展」(北國新聞社、財団法人石川県芸術文化協会、石川県立美術館主催)は二十七日、金沢市の県立美術館で開幕した。前漢の諸侯の墓から出土した「金縷玉衣(きんるぎょくい)」の周囲には大勢の来場者が人垣を作り、つややかな玉片(ぎょくへん)とそれをつなぐ金の糸に、王朝の栄華を感じ取った。

 同展は、殷(いん)から宋(そう)まで約三千年の歴史を中国国家博物館が厳選した二十四点の一級文物(日本の国宝に相当)を含む百件の展示品で紹介する。中華人民共和国の建国五十五周年を記念しており、日本では初公開となる文物も多い。

 今回展示の「金縷玉衣」もその一つで、前漢の皇帝の一族に連なる梁(りょう)王の墓から、八年前に発掘された。来世での再生を願って遺体に着せられたとみられている。「金縷玉衣」は中国全土で五点前後しか出土していない。

 このほか会場では殷(いん)代の青銅器、秦(しん)の兵馬俑(へいばよう)の兵士像なども注目を集めた。

 門前町から訪れた白藤順也さん(72)は金縷玉衣に見入り、「何千年も前の物がこんなに良い状態で残っていることに驚いた。手がこんでいる」と話した。輪島市の洋画家、堀場良夫さん(84)は青銅器に刻まれた模様から「青銅製の鐘は年月を経て、赤や茶色、緑などが絶妙な色合いになっている」と語った。

 同展は九月二十日までで会期中は無休。入場料は大人千二百円、中学、高校生八百円、小学生六百円。

 「大勢の来場者が人垣」というのは、あまりに人が少なく、カメラマンが展示室にいた全員(10人あまり)をかき集めて無理やり人垣をつくり写真を撮っていたことを指しているらしい。