中国歴代王朝展

 中国が建国55年を記念しての大盤振る舞いで、国宝級の文物を貸し出してくれたらしい。その展示会初日に行ってきた。展示は時代毎(殷〜戦国、秦〜三国、魏晋南北朝〜宋)に3部屋に分けられており、漢梁王の金縷玉衣、始皇帝兵馬俑の兵士像などが目玉らしい。
 平日の昼ということもあったが、初日にしてはびっくりするくらい人が少ない。学生や研究者風の人はほとんどおらず、年配の人ばかりだった。
 ウロウロしている北國新聞のカメラマンが邪魔だった。どうやら目玉である「金縷玉衣の周りの人だかり」という様子を撮りたいみたいだったが如何せん人がいない。なので、展示室内にいる人をかき集めて金縷玉衣の周りに群がってもらい写真を撮ることにしたようだ。私も声をかけられたが丁重にお断りした(笑)

 金縷玉衣は死体に着せる服で、玉片を金糸で綴ったもののこと。銀縷玉衣も同様で、軟玉片を銀糸で綴ったもののこと。金縷玉衣は皇帝用、銀縷玉衣は王族用だったらしい。二つを見比べると、形状はほとんど同じだが、玉の色が違うからか金縷玉衣の方が立派に見えた。2000年近く経過してもはっきりと身分の差がわかる服というのもすごい。
 始皇帝兵馬俑の兵士像はリアルだった。着色すればマネキンとしても使えるほど(マネキンとしては造形に問題があるが)兵士像は3体あったが、いずれも顔が違う。生きた兵士から型を取ったという話も本当なのかも。
 三国時代までの出土品は概ね青銅製、それ以降は銀製のものが多かった。クオリティは当然ながら時代が新しいほど高い。宋代の杯は洗練されていた。時代を問わず動物が何らかの形でついているものが多い。


 2時間ほど観て、「自分は出土品よりも書物の方に関心がある」ということを再確認して展示室を出る。図版と中国地図、なんら関係のないトランプ4種(歴代皇帝、歴代皇后、水滸伝三国志)などを購入して帰宅。