立浪、王貞治に並ぶ

http://chuspo.chunichi.co.jp/00/baseball/20040522/spon____baseball000.shtml
立浪、けん引 今期初4連勝貯金1
通算422本セ界二塁打
あこがれの王監督に並んだ 通算安打も史上20位
 今季初の4連勝で貯金「1」−。21日の横浜戦(横浜)。中日は立浪和義内野手(34)がセ・リーグ記録に並び、プロ野球歴代3位タイとなる通算422二塁打を放つなど会心の勝利。さあ、再び走りだすぞ。

先制打 同点打
 打球が一塁手・ウッズの横を鋭く突き抜ける。ためらいもせず、一塁を蹴(け)り、走る立浪。二塁ベースへ到達したその瞬間、竜の“ミスターダブル”はセ・リーグ二塁打王となった。

 「たまたまいい所に飛んでくれたんでラッキーでした。セ・リーグタイ記録? 意識はしなかったけど、小さいころ王さんのことが好きだったからうれしいです」

 初回1死三塁。横浜・三浦の6球目のフォークをひっぱたいた。打球は一塁線を破り、右翼フェンスへ。三塁走者・荒木を本塁へ迎え入れた先制の一打は、史上3位タイとなるプロ通算422本目の二塁打。かつてあこがれていた世界の王貞治氏(現ダイエー監督)が持つセ界記録に肩を並べた瞬間だった。

 「いつも川上が投げる時は、なぜか打線が打てなくて…。今日は初回のいいところで打てた。それが良かったですね」

 エース・川上が先発すると、なぜか沈黙を続けてきた竜打線。ここ3試合で21イニング連続援護できず。だが、そんな呪縛(じゅばく)も初回に偉業の一打であっさり打ち砕くと、5回にも右前へ、この日2本目の適時打。プロ通算2096本目の安打で同点に追いつく2点目をたたき出し、通算安打数でも史上単独20位に躍り出た。

 「最近、状態がいいんでね。4月は僕が迷惑をかけましたが、ここから巻き返していかないと」

首位に0・5差
 5月の打率は、これで4割4分。立浪が好調の波に乗り、チームも今季初の4連勝。首位・阪神に0・5ゲーム差に詰め寄った。

 「これからもいい場面で、いい二塁打を打っていきたいですね」

 ルーキーイヤーの1988年、4月8日の大洋戦(ナゴヤ球場)で放ったプロ初安打も二塁打。あれから17年、セ界最高の二塁打の名手となった男の上に鎮座するのは、わずかに2人。立浪がプロ野球の歴史を塗り替えながら、チームを勝利へ導いていく。 (寺西雅広)

 まだまだこれから。