カツノリに「55」用意していた

 阪神から金銭トレードで移籍した巨人の野村克則捕手(30)が27日、東京・神田錦町の球団本部で入団会見を行った。登録名をカツノリから本名に変えた野村は背番号のないユニホームに袖を通して、やや緊張気味な笑顔を見せた。新背番号は63に決まっているが、実はこの背番号が決定するまでには、驚きの事実が隠されていた。
 巨人移籍が発表された23日。巨人・三山球団代表は野村の父であるシダックス野村克也GM兼監督にトレード決定直後、電話で獲得のあいさつを行ったが、その際に新背番号の打診があったという。「55と63が空いてるけど、どっちがいいかと聞かれた。松井の番号を背負うのは本人には重いでしょう、と伝えたんだよ」と野村監督。まさかの「松井秀の55番」が提示されていたのだ。

 55は確かに空き番号。松井秀自身も「誰がつけても構わない」と全く固執はしていないが、松井ファンにとっては違うだろう。巨人の主砲としてのイメージ。将来的には巨人に戻って、再び55を背負ってほしいと願う人も少なくないはずだ。球団側としても55本塁打日本記録に敬意を表してローズに渡すことも検討していたはず。それをいとも簡単に手放そうとは…。寂しい現実は巨人と松井の冷えきった関係も浮かび上がらせた。

 野村は会見で背番号63について「最初から63ということで連絡を受けました。背番号って自分の顔になると思う。愛着を持っていきたい」と前向きに話した。55だったら何とコメントしていたのだろうか。野村は余計な重圧を回避した克也氏の“親心”に救われた。

 松井が日本球界に復帰するとなったら、55どころか1や3でも準備しそうな巨人・・・