入来のもめ事

 23日にも決着する見込みといいながら決着しなかったらしい。次に入来本人も交えて近鉄との最終交渉。入来が譲歩しなければ彼のプロ野球選手生命は終わる。
 メジャーに挑戦したい、という入来本人の気持ちはさておき
 トレードで選手を出してまで獲得した選手に1年後ポスティングでメジャーに挑戦されたら、球団としてはたまらないものがあると思う。10年ほど前、阪神がエース級の野田を放出してオリックスから獲得した松永が、翌年FA制が施行されたため1年でダイエーに移籍してしまったことがある。阪神としては踏んだり蹴ったりな出来事。これについては一応補償金も出ることだし、新制度で発生した権利を正当に行使した結果であるため問題はない。
 これに対し今回の入来は、近鉄と契約する条件として1年後ポスティングによるメジャー移籍を球団が容認することを求めている。ポスティングの入札金額はその選手が所属している球団に支払われるが、イチロー、石井といった超大物選手ならともかく中日からパドレスへの移籍が決定した大塚の場合、たった3000万円程度だった。入来がポスティングを行使した場合これ以上の金額になるとは考えにくく、近鉄としても入来を獲得するメリットは少ないだろう。
 上原や井口が入団時に「数年後ポスティングによるメジャー移籍を認める」という口約束があったそうだが、巨人、ダイエー共に約束を履行する意志がなかった。その前例をふまえて、ポスティングによるメジャー挑戦を契約に盛り込もうとした入来は考え方としては良かったのかもしれないが・・・