連日のウップン晴らす アレックス満塁弾(中日スポーツ

 愉快! 痛快! 満塁弾! アレックス・オチョア外野手(31)がやってくれました。24日の広島戦(ナゴヤドーム)。初回に飛び出した特大アーチが、17イニング連続無得点の嫌な記憶を消し去り、イケメン平松一宏投手(29)もきっちり先発の役目を果たして広島を撃退。暑気払いには最高の一夜でした。

 これ以上ない先制パンチを、アレックスが豪快に打ち上げた。推定飛距離150メートルの第14号は、自身今季初の満塁本塁打。一昨日が0、前夜が1。2試合で1点しか奪えなかったうっぷんを、一振りで吹き飛ばした。

 「昨日、監督からテンションを上げていこう、と言われたからね。最初から積極的にいったよ」

 初回、打順の組み替えが功を奏す。中前打の井端を二塁に置いて、腰痛で調子が上がらず3番に変えた立浪が右前打で一、三塁。代わって4番に座った福留が四球で塁を埋める。ビッグチャンスで打席にアレックス。カウント2−0と追い込まれ、気持ちを吹っ切った。「打てる球を強く打つ」。シンプルな理論で139キロ直球を振り抜くと、打球は一気にドームの最上部、5階席へ。打った瞬間に左翼手は追うのをあきらめた。

実は“満塁男
 「本塁打を打つのは大変なこと。しかも満塁はあの時以来。うれしい」

 今季、ここまでの13本はいずれもソロか2ラン。得点圏に走者を置いての一発はこれが初めて。勝負弱いイメージもあるが、満塁となるとこの男、印象深い一発を過去に放っている。レッズ時代の2000年8月22日。メジャー新記録となる1日6本の満塁本塁打が乱れ飛んだ記念日に、最後の6本目を打ったのがアレックスだ。記念アーチ以来、プロ人生2本目となる3年ぶりの満塁弾は、負ければ広島に負け越す窮地も救った。

 「一昨日、昨日と重苦しいゲームだったが、満塁ホームランではね返してくれたよ」

 山田監督が勝因に挙げた一発。殊勲の一打に、当の本人は「毎日、日本の野球に適応しようと心がけているからね」と秘けつを語る。

 残り31試合。来季の去就は不透明だ。「アメリカに戻って家族に会いたいし、日本にもいたい。人間の心境はいろいろ変化するんだよ」。気持ちの針は揺れる。それでも、ヒーローはファンに声を張り上げた。

 「みんなの声援が本当に心強いんだ。この場を借りて、言わせてほしい。ドーモアリガトウ」

 未来のことは分からない。だけど、今、針がどこを向いているかは、知っている。応援してくれるファンのために、アレックスは今を全力で戦う。 (寺西雅広)

 まあ今月までの成績で残留がかかってくるので必死だろう。
 とりあえず昨日・一昨日と好投したピッチャーが報われなかったので、平松に勝ち星がついて良かったと思う。