F1 イギリスGP

 ポールは4戦連続でJPM。しかし4戦連続で勝てなかった。バリチェロ、MS、ラルフ、マクラーレンの2台、トゥルーリ、サロ、ヴィルヌーヴザウバーの2台・・・といった感じで続く。BARはチーム力でジョーダンの上をいったかな、という様子。ジョーダンは完全にエースのフィジケラ頼み。そのフィジケラも不調で佐藤よりも下の順位に。出走すら危ぶまれたアロウズはさすがにシングルグリッドは無理だったが、ジャガーミナルディとの下位争いはなんとか制す。アレックス・ユーンは今期3度目の予選落ち。スポンサー付きでも来年走れるのか微妙。
 フォーメーションラップバリチェロがスタートできず、最後方に回る。スタートはいたって普通。バトンが好スタート。いきなりマクニッシュが消える。彼もクビが取りざたされているドライバーなので、このリタイアは痛かったに違いない。ウェーバーもCMあけに消えていた。サロも止まり、序盤でミナルディトヨタは全滅。
 このレースの大きなポイントであった雨が降り出す。ピットインを延ばそうとしたマシンは次々とスピン。琢磨もスピンするが、本人によると「ピットにジャンカルロがいるから次の周回にしろ」と言われたとのこと。
 雨によりミシェラン勢はレインタイヤ、ブリヂストン勢はインターミディというドライとレインの中間のタイヤを履く。このブリヂストンタイヤがすばらしく、コーナーでの立ち上がりがミシェランユーザーとは全然違っていた。ブリヂストンユーザーのフェラーリと、ミシェランユーザーのウイリアムズのタイム差は3秒くらいあった。そして、いつもはフェラーリ以外に陽のあたらない(笑)中堅のブリヂストンユーザーもタイヤの恩恵にあずかって順位を上げる。
 今回のレースで特に目立ったのはクルサードのミスだろうか。コーナーを攻めすぎてのコースアウトに加えてピットでの給油口のトラブル(これはウイリアムズも同じ)、そしてレインタイヤでは勝負にならないからということで、まだタイヤの準備が出来ていないピットに戻り、乾ききっていないコースをドライタイヤで走行、そして先程と同じコーナーでコースアウトする。これで入賞圏内は不可能となった。ラルフはここまでひどくはないが、やはり入賞を逃す。
 雨のおかげで上位を伺っていたフレンツェンエンジンブローでリタイア。アロウズの出走が危ぶまれていた原因はコスワースへのエンジン使用量未払いが原因だったが、代金を支払ったのにエンジンが壊れるなんて、はらわたが煮えくり返る思いであろう。ベルノルディもリタイアでアロウズも全滅。アーバインも母国で見せ場無くリタイア。
 更にトゥルーリライコネンが消え、琢磨もエンジンブロー。あと数周というところでバトンもマシントラブルでまさかのルノー全滅。
 JPMは我慢の走りに徹するが、タイヤの性能差はいかんともし難く、天候の回復によって追い上げるがあまりにもギャップが開きすぎた。結局フェラーリの完勝。MSは今期7勝目で通算60勝目、バリチェロは最後方グリッドから追い上げての見事2位。JPM3位。JVとパニスが4,5位でBAR今期初ポイント。今回のレースはルノー2台のリタイアが無くとも、BARの2台は入賞できたものと思われる。6位に全然目立ってなかったハイドフェルドが地味に入賞。3位のモントーヤ以外全てブリヂストンユーザーという今回のレース。

 一昔前なら、雨のレースは下位チームの格好の見せ場だった。デビュー間もないセナがプロストに迫ったり、非力なマシンを駆る中島悟が入賞したりした。しかしそんな見せ場すら、王者フェラーリは奪ってしまうのか、といった印象のレース結果だろうか・・・いや、BARがポイントを獲得しているので、一応下位チームの見せ場はあったのかな(笑)